エンスポ!のスポーツ情報局

いつまでも楽しいをスポーツを続けて欲しい!ただし正解は常に複数!

ボルダリングによるケガについて

今や日本のお家芸といえる競技になりつつあるインドアボルダリングですが、ケガの発生個所に関する情報は少ないように感じます。そこで今回はドイツ人を対象としたケガの発生個所等について研究をご紹介していこうと思います。

 

Jonas Auer, Volker R. Schöffl, Kai Fehske,らは12か月に渡りインドアボルダリングによるケガの箇所と重症度を研究しています。

 

対象は男性285人(56%)、女性221人(44%)、未知性別1人(0.2%)です。

  男性 女性 合計(n = 506、100%)
平均± SD 平均± SD 平均± SD
年齢(y) 31 ± 8 29 ± 7 30 ± 8
身長(cm) 181 ± 7 169 ± 6 175 ± 9
重量(kg) 75.2 ± 10.7 61.0 ± 7.2 69.0 ± 10.8
BMI(kg・m-2) 23.1 ± 2.9 21.4 ± 2.2 22.4 ± 2.7

 

 

結果は以下のようになりました。まずはケガの箇所と重症度を見てみます。

ケガの箇所 ケガの重症度 合計 (%)
UIAA 1  (%) UIAA 2  (%) UIAA 3  (%)
頭・顔 0 1 (0.3) 1 (0.3) 2 (0.7)
首・頸椎 5 (2) 4 (1) 0 9 (3)
肩・鎖骨 36 (12) 10 (3) 2 (0.7) 48 (16)
上腕 12 (4) 0 0 12 (4)
17 (6) 2 (0.7) 2 (0.7) 21 (7)
前腕 7 (2) 2 (0.7) 0 9 (3)
手首 12 (4) 3 (1) 0 15 (5)
手・指・親指 77 (25) 9 (3) 0 86 (28)
7 (2) 0 0 7 (2)
胸椎 1 (0.3) 1 (0.3) 0 2 (0.7)
体幹・腹部 3 (1) 0 0 3 (1)
腰椎 9 (3) 5 (2) 0 14 (5)
骨盤 2 (0.7) 1 (0.3) 0 3 (1)
臀部・股関節 1 (0.3) 0 0 1 (0.3)
大腿 6 (2) 0 1 (0.3) 7 (2)
12 (4) 9 (3) 4 (1) 25 (8)
下腿 3 (1) 2 (0.7) 0 5 (2)
15 (5) 7 (2) 0 22 (7)
足部・指 10 (3) 1 (0.3) 0 11 (4)
不明 3 (1) 0 0 3 (1)
合計 238 (78) 57 (19) 10 (3) 305 (100)

 

ここで注目したいのが肩と手・指で全体の40%以上を占めること、上肢で60%以上を占めることです(赤字)。ホールドと呼ばれる突起を登っていく競技であるため肢のケガが多い結果(青字)となっています。これは想像通りの方も多いと思います。そして下肢のケガは重症度が高い傾向にあります。

 

続いて発生の原因をみてみます。

  頭と首(%) 上肢(%) 体幹(%) 下肢(%) 不明(%) 合計(%)
ボルダリング 1(0.3) 55(18) 8(3) 19(6) 0 83(27)
落下 6(2) 23(8) 4(1) 23(8) 0 56(18)
他者と衝突 0 1(0.3) 0 0 0 1(0.3)
レーニング/ストレッチ 0 3(1) 2(0.7) 1(0.3) 0 6(2)
急性外傷なし 1(0.3) 65(21) 3(1) 8(3) 0 77(25)
ジャンプ 1(0.3) 3(1) 2(0.7) 14(5) 0 20(7)
その他 0 3(1) 2(0.7) 1(0.3) 0 6(2)
情報なし 2(0.7) 38(12) 8(3) 5(2) 3(1) 56(18)
合計 11(4) 191(63) 29(10) 71(23) 3(1) 305(100)

 

ここで注目したいのが、登っている時よりも急性外傷なしのほうが多い点です。急性外傷とは一回の大きな外力によってケガをすることを言います。また、落下による下肢のケガが多い結果となっています。

 

ボルダリング少しずつ身体にダメージがたまりケガをするといえるのです。日々のケアがケガの発生率を減らすことに繋がりそうです。

 

著者らは被験者に予防方法を調査しました。意外な?結果かもしれませんが、指の

ウォーミングアップや指以外のテーピングなどケガを減らすための工夫に有意差は見られなかったとしています。下肢のケガを予防するためにボルダリングシューズの選択と落下の仕方が大きなけがの予防につながると予想しています。

 

引用:Jonas Auer, Volker R. Schöffl, MD, PHD, MHBA, […], and Kai Fehske, MD, MA fehske_k:Indoor Bouldering—A Prospective Injury Evaluation:First published online June 1, 2021

 

いかがだったでしょうか?

個人的にはウォーミングアップやテーピングが有効とはいえなくても自分が安心して競技に臨めるべきてあれば実施すべきと考えます。そして、ストレッチやマッサージや鍼灸などトリートメントを受けることがケガの抑制につながる可能性がありますので、日々のケアを続けてほしいです。

さらに、足関節の捻挫など下肢のケガを放置しておくのはさらなるケガにつながる可能性があります。継続的な下肢のトレーニングやリハビリテーションもケガを減らすことに繋がると思います。

 

今回はインドアボルダリングのケガの発生等についてご紹介しました。どのスポーツでもケガはつきものです。いかに防ぐかが長く・楽しく競技を続けていくコツだと思います。じゃあテーピングやストレッチの方法を教えろよ!といわれそうですが昨今、動画共有サイトに有料級の情報がゴロゴロしているので割愛します(笑)

 

今後も色々な情報を発信していきますのでご一読いただければ幸いです。

スポーツトレーナーって何してる人?

スポーツ楽しんでますか?

 

さて、スポーツトレーナーという仕事をしているとよく聞かれる質問に答えてみようと思います(^^♪

 

Q.スポーツトレーナーってどんな仕事?

A.ざっくり言って選手を支える仕事です。競技の技術を指導するインストラクターやコーチと異なり、トレーニングの指導やケガから復帰するためのリハビリ指導、心身の調子を整える(コンディショニング)手伝いなどが仕事となります。

 

Q.スポーツトレーナーの専門性は?

A.スポーツトレーナーには大きくざっくり分けて、コンディショニングや競技力向上を目的としたトレーニングの指導を主とするストレングス アンド コンディショニングトレーナー(頭文字をS&Cトレーナーと呼びます)。マッサージやストレッチなど痛みの緩和や身体の柔軟性向上を主とするメディカルトレーナーがあります。日本では一人のトレーナーが兼任するケースが多いですが、規模の大きいチームでは分業されています。

 

Q.スポーツトレーナーになるためにはどうしたらいいの?

A.スポーツトレーナーは国家資格では無いため、法律上、名称独占や業務独占はありません。極論、あなたが今からスポーツトレーナーやアスレティックトレーナーと名乗っても何ら差支えません。そのため、スポーツトレーナーとして仕事をしていくためには資格が差別化のポイントになります。もちろんプロの仕事ですから、何ができるか!が大切なのですが、資格が無いと仕事のスタートラインにすら立てません。

 

Q.資格は何が必要なの?

A.国スポやオリンピック、プロスポーツに関わりたい場合は、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)が必要です。専門学校や大学に通い取得するのが一般的です。この資格がないと、どんなに腕があっても国スポ等の仕事に関われません。(細かいことはツッコまないでくださいね(^_-)-☆)

参考までに日本スポーツ協会のホームページを貼っておきますね→ATインフォメーション - スポーツ指導者 - JSPO

ホームページ中央付近に取得できる学校の一覧があります。

 

メディカルトレーナーを目指す方は、理学療法士柔道整復師あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師などの医療系国家資格を取得します。

 

そのほかには、NSCA・JATI・NESTAなどいろいろな協会が認定する資格があります。なかでも全米アスレティック協会が発行しているNATA-ATCは、アメリカでは准医療資格となり信頼性が高い資格となっています。

 

このように色々な協会の資格があり、難易度も様々です。

 

さて今回はよくある質問に答えてみました。スポーツトレーナーって曖昧で言葉が独り歩きしている感があります。

皆さんのまわりにいるトレーナーさんにトレーナーとしての専門や持っている資格を聞いてみてくださいね(^^)/

プロスポーツトレーナーの視点から見るスポーツ楽しみ方

はじめまして!エンスポ!と申します。

このブログではスポーツに関する様々な情報を扱ってみようと思います。

 

唐突ですが、皆さんはスポーツを楽しんでいますか?

スポーツにはやる、観る、教えるなど様々な楽しみ方がありますよね。

 

私は日々、スポーツトレーナーとしてプロスポーツ選手から小学生まで様々なカテゴリー、競技と携わっています。なかには80歳を超えてもゴルフを続ける方も!

 

色々な方と接するなかで頻繁に聞かれるのが、「どの情報が正しいかわからない!」です。私は学術的に高いエビデンスが得られているもの以外は、『正しい』の捉え方は人それぞれで良いと思っています。例えば野球の投球フォームで一流の選手に共通している点はあるものの、投球フォームは人それぞれです。また、学術的に高いエビデンスがあっても状況を再現できなれば効果は変わっていきます。どのプロテインがお勧めですか?ってどれだけ聞かれたことか(笑)

 

そのため、当ブログの情報も皆さんがおかれている状況を踏まえて取捨選択をしてください。それも含めて少しでもスポーツを楽しんでいただけたら幸いです。

 

最後に私は研究者ではありませんので、間違った理解や誤訳等あると思いますがそこも含めて楽しんでいただければ幸いです!